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No  190

私らしく:障害者スポーツクラブ紹介 香川車椅子バスケットボールクラブ /香川

 ◇激しい攻防 接触、転倒も
 ◇「体育会系」にはぴったり
 キュッキュッ、とタイヤがこすれる音と、ゴムが摩擦で焼けるようなにおい。攻守が入れ替わると「速攻」で動く選手たち。「(ボールを)戻せ」「行けー」と、選手たちの叫ぶような声が体育館に響く。 
 車椅子バスケットボールは、数ある障害者スポーツの中でも、かなり激しいチームスポーツだ。
 コートの広さやボールの大きさは、通常のバスケットボール競技と同じ。大きく違うのは、何といっても車椅子での移動だ。
 競技で使われる車椅子は、スポーツ専用。より速く動くためにタイヤはハの字型になっており、転倒防止のため、後ろには小さな車輪がついている。生活で使う車椅子よりも軽く、「いかに素早く動けるか」を重視した作りになっている。
 試合では選手同士の接触も多く、転倒もあるが、できる限り自力で起きあがってプレーを続ける。選手は汗だく。見ている方も、ハラハラ、ドキドキ。目が離せない。背の高い選手が華麗に決めるダンクシュートはないが、車椅子から、はるか高いバスケットゴールにシュートを決める姿には、思わず拍手をしたくなる。選手たちはシュート力を上げるため、普段から筋トレも欠かさない。
 香川車椅子バスケットボールクラブでは、現在12人の選手と4人のマネジャーが活動中。
 チームは5月に善通寺市で開かれた「第8回障害者スポーツ大会車椅子バスケットボール競技 中国・四国ブロック予選大会」に出場し、中四国の県代表9チームで1位となった。決勝は、岡山県代表との対戦。どちらも譲らないシーソーゲームが続き、63―61のわずかな差で競り勝った。高木一彰主将(34)は「どちらが勝ってもおかしくない試合だった。チームのムードが良かったのが、勝利に結びついたと思う」と振り返る。ブロック予選大会優勝により、チームは10月に大分県で開かれる全国大会への切符を手にした。
 19歳の時に入部した山内昌幸さん(30)は、高校生の時にバイクの事故で脊髄(せきずい)を損傷し、下半身まひの状態になった。「小さいころからスポーツが好きだったけれど、事故後は家の中で何もしない日が続いた。車椅子バスケを始めて、試合で県外に行ったり、プレーで声を出したり、仲間と一緒に汗を流しているうちに、生活でも積極的になれるようになった」と笑顔で話す。
 監督を務める岡田健さん(54)は、元甲子園球児。1971年春のセンバツで、坂出商部員として出場した。大学時代に体操の授業で脊髄を損傷し、車椅子生活となったが、車椅子バスケと出合い、再びスポーツに没頭した。車椅子バスケの日本代表キャプテンとして、世界大会に出場したこともある。
 チームの監督に就任したのは、予選大会直前だが、自身の経験をもとに、毎週厳しい指導をしている。「これからはもっと頭を使ったチームプレーができるようにしたい。瞬発力、持久力、チェアワーク(椅子裁き)など個人力アップはもちろん、上体が高い3人の攻撃力を生かしたチームプレーを確立させたい」と意気込んでいる。
 選手は、もともとスポーツ好きな人が多く、サッカー、剣道、野球、パワーリフティングなど、過去にやっていた運動はさまざま。障害はあるが「体育会系の激しいスポーツをしたい」と望んでいる人には、車椅子バスケはぴったりのスポーツだ。「皆で楽しく遊んでるだけじゃないの」と思う人はぜひ一度、練習を見に行ってほしい。きっと、見方が変わる。【矢島弓枝】
 ◇個性派集団、カラフルな虹目指す−−高木一彰主将(34)
 5年ほど前に、交通事故に遭い、右足を切断しました。当時幼かった長男が「もうキャッチボールはできないの。何で足がないの」と言っているのを聞いて、親の背中を見せたい思いで、車椅子バスケを始めました。
 初めて車椅子バスケを見たのは、仕事帰りに立ち寄った時です。すごい熱気が伝わってきて、プレーも激しいくて「本当に障害者の人たち?」と思ったくらいでした。
 チームは個性的な選手ばかりで、とてもユニーク。私は4月に主将になったばかりですが、メンバーには「いろんな個性の色を出し合って、皆でカラフルな虹を作ろう」と、話しています。チーム内では、選手同士で壁を作らず、いいムードで試合に臨むよう心掛けています。
 大会には、家族がそろって応援に来てくれて、とてもうれしいです。今は練習に夢中になっています。
 事故や病気で歩けなくなって、家にこもってしまう障害者の方も多いと思いますが、一度、勇気を出して見学に来てください。仲間になりましょう。(7月16日 毎日新聞)
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 ◆車椅子バスケットボール◆
 バスケット専用の車椅子に乗ってプレーする。コートの広さ、ゴールの高さ、ボールの大きさなどは、一般のバスケットボールと同じ。障害の重い、軽いにかかわらず、等しく試合出場のチャンスが持てるよう、障害に応じて1(障害が重い)〜4・5(軽い)点の持ち点があり、5人の合計が14点以下でなければならない。日本代表チームは、男女とも9月の北京パラリンピックに出場が決まっている。
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